酸熱トリートメント(酸トリ)の理論と仕組みについて解説

「酸熱トリートメントってなに?」

「聞いたことはあるけど、どういった技術なの?」

と思われている方々に、できるだけかみ砕いて理論とメカニズムを解説していきたいと思います。

まず、シスチン結合とは・・・?

シスチン結合は、髪を構成する上で重要な結合で、毛髪内部で横のつながり(架橋)を作っています。

このシスチン結合の状態で健康毛かダメージ毛か決まるほどです。

元々、毛髪は死んだ細胞なので、このシスチン結合は一度壊れると、二度と元に戻りません。

●シスチン結合がしっかりと整っている状態は、健康毛

●シスチン結合が壊れて整っていない状態は、ダメージ毛

ダメージホールとは・・・?

シスチン結合が壊れた時に毛髪内部にできる空洞をダメージホールといいます。

毛髪内部にこのダメージホールがたくさんできると、毛髪の手触りが悪くなりごわついたり、

ブリーチ毛のようなダメージ毛はダメージホールに水分を多く含むようになるため、毛髪が中々乾かない状態になったりします。

しかし、このダメージホールが多ければ多いほど、酸熱トリートメントはその効果を発揮することができます。

酸熱トリートメント=ダメージホールを修復する施術なんです!

「グリオキシル酸」と「アミノ基」

酸熱トリートメントには主要成分であるグリオキシル酸とその他のアミノ基が含まれています。

このグリオキシル酸とアミノ基が毛髪の一部(架橋)の役割を果たします。

酸熱トリートメントを毛髪に塗布することで、グリオキシル酸とアミノ基が

ダメージホールのなかに入り込みます

脱水縮合とは・・・?

次の工程で、ドライヤーやアイロンを使用して髪の毛に熱を加えると、毛髪内部では化学反応が発生します。

その化学反応を

脱水縮合(だっすいしゅくごう)

と言います。

イミン結合の誕生!

そして、その熱反応よって

グリオキシル酸アミノ基

イミン基(イミン結合)という個体へと生まれ変わります。

この個体がシスチン結合の代わりとなるイミン結合です。

個体になったことでダメージホール内でしっかりと固定されるので、シャンプーなどで洗い流されることがありません。

シスチン結合の代替となるイミン結合が誕生したことでダメージ毛だった毛髪は、本来の健康毛に限りなく近いハリ感やツヤ感を取り戻します。

ざっくりとですが、この流れが酸トリのメカニズムです。